こんにちは、奉還町学習センターです。今日は商店街にいつもの賑やかな声が響く中、生徒たちと一緒に特別な授業を行いました。
10名の生徒と考える「選挙の意義」
もうすぐ参議院議員選挙が控えているということで、今日は18歳選挙権について、そして選挙に行くことの意義について生徒たちと話し合いました。参加してくれたのは10名の生徒たち。普段は「みんないっしょに違うことをする」私たちの学習センターですが、今日はみんなで同じテーマについて考える時間となりました。
「選挙って、正直誰に入れていいかわからない」
「政治家の人たちって、みんな同じようなことを言ってる気がする」
生徒たちから出てきたのは、そんな率直な声でした。
「ベストな人」じゃなくて「マシな人」を選ぶ
そんな生徒たちに、私たちが伝えたのは少し違った視点でした。
「選挙では『ベストな人』を選ぼうとしなくていいんです。『マシな人』を選べばいいんです」
この言葉に、生徒たちの表情が変わりました。
完璧な候補者なんて存在しません。大切なのは、今ある選択肢の中から「相対的により良い」と思える人を選ぶこと。そして、その「マシな人」選びの嗅覚は、18歳から投票行動を続けることで、次第についてくるものなんです。
「今すぐに『この人だ!』と確信を持てなくても大丈夫。投票を重ねることで、自分が30歳くらいになったとき、自分にとってはっきりとした『マシな人』を見つけることができるようになりますよ」
「私だけの選挙手帳」で投票スタンスを見つける
そんな話をした後、生徒たちに紹介したのが「私だけの選挙手帳」です。これは、2017年に当センターの代表である野村泰介が開発したサポートグッズです。
選挙のたびに自分が誰に入れたのかを記録していく、シンプルな手帳。でも、その積み重ねによって自分の「投票スタンス」が見えてくるんです。
「あ、私って経済政策を重視してるんだな」
「僕は環境問題に関心があるんだな」
そんな自分なりの価値観や判断基準が、記録を通じて見えてくる。それが、この手帳の狙いです。
本物の投票箱で模擬投票
授業の最後には、岡山市選挙管理委員会から借りてきた本物の投票箱を使って模擬投票を実施しました。
「うわ、これ本物なんですか?」
「なんか緊張する…」
投票用紙に候補者名を書き、投票箱に入れる。当たり前のような行為ですが、実際にやってみると生徒たちにとっては新鮮な体験だったようです。
生徒たちの感想から
模擬投票を終えた生徒たちからは、こんな感想が聞こえてきました。
「誰に入れていいか決めることはプレッシャーだったけど、『マシな人』という視点で考えると楽になりました」
「選挙は自分の未来を決めるはじめの一歩、ということをあらためて知ることができました」
普段は自分のペースで、それぞれの課題に取り組んでいる生徒たち。でも今日は、みんなで「社会の一員として考える」という同じ体験を共有できたのではないでしょうか。
商店街の中で育む「社会を考える力」
奉還町商店街の中にある私たちの学習センター。地域の方々に支えられながら学ぶ日々の中で、生徒たちは自然と「社会とのつながり」を感じています。
選挙も同じ。一人ひとりの投票が積み重なって、私たちの住む社会が形作られていく。
「みんないっしょに違うことをする」私たちですが、社会の一員として考え、行動することの大切さは、みんなで共有していきたいと思います。
来週、18歳になったばかりのAさんは「初めての選挙、『マシな人』選びから始めてみます」と話してくれました。
明日も奉還町商店街の扉が開き、生徒たちのそれぞれの学びが始まります。そして、社会を考える力も、一歩ずつ育んでいければと思います。
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