こんにちは、SGSGスタッフです。11月26日から始まった「たこプロ奉還町」プロジェクト。12月21日の販売当日を経て、1月13日の反省会まで、すべてのプログラムが終了しました。中高生たちが挑んだ、約2ヶ月間のたこ焼き屋運営の記録をお届けします。
12月21日、寒空の下での販売体験
販売当日の朝は、予想以上の冷え込みでした。早朝から準備を始めた中高生たち。たこ焼き器の設置、材料の準備、看板作り…。これまでのワークショップで話し合ってきたことを、いよいよ実践する時がきました。
「うわ、めっちゃ寒い…」
「でも、準備しないと!」
11時、「たこプロ奉還町」オープン。しかし、この日の寒さは商店街の人通りにも影響していました。いつもより明らかに少ない通行人。最初の1時間は、なかなかお客さんが来ません。
「どうしよう、売れるかな…」
不安そうな表情を浮かべる参加者たち。でも、ここからが本当の挑戦です。声をかけ合いながら、呼び込みの声を大きくしたり、通りかかる人に積極的に声をかけたり。試行錯誤を重ねながら、少しずつお客さんが増えていきました。
17時、約70パック完売
「ありがとうございました!」
6時間の営業を終えた17時、参加者たちの顔には達成感が浮かんでいました。寒さと少ない人通りという厳しい条件の中、約70パックを販売。この数字は、決して簡単に達成できたものではありません。
「思ったより大変だった」
「でも、買ってくれた人が『美味しい』って言ってくれたのが嬉しかった」
「最初は全然売れなくて焦ったけど、みんなで頑張れた」
寒さで手がかじかみながらも、最後までやり遂げた中高生たち。商店街のお店の方々からも「頑張ったね」と温かい声をかけていただきました。
1月13日、利益をどう分けるか?真剣な議論
販売から約3週間後の1月13日、参加者全員が集まっての反省会が開かれました。まずは、売り上げの報告。材料費や諸経費を差し引いた後の利益が発表されると、参加者たちの表情が引き締まります。
ここからが、このプロジェクトの最も重要な場面でした。「この利益を、どのように分配するか?」
参加者の中には、ワークショップの準備段階だけ参加したメンバー、販売当日にも参加したメンバー、そして全日程にフル参加したメンバーがいます。この違いを、どう評価するのか。
「準備も大事だったよね」
「でも、当日の販売は本当に大変だった」
「最初から最後までいた人は、やっぱり…」
最初は遠慮がちだった意見交換が、次第に熱を帯びていきます。大人は見守るだけ。分配の方法も、基準も、すべて高校生たち自身で決めていきます。
たどり着いた「納得の分配」
議論は1時間以上続きました。最終的に参加者たちが出した結論は、「準備だけ参加」「販売にも参加」「フル参加」の3段階に分けて、傾斜をつけて分配するというものでした。
具体的な配分比率も、一人ひとりの意見を聞きながら、全員が納得できる形で決定。誰かが一方的に決めるのではなく、全員で話し合って、全員が「これなら納得できる」と思える答えを見つけ出したのです。
「最初は、どうやって決めればいいか全然わからなかった」
「でも、みんなで話し合ったら、ちゃんと答えが出た」
「自分たちで決められたのが、すごく良かった」
参加者たちの言葉からは、この議論そのものが大きな学びになったことが伝わってきました。
アントレプレナー教育の実践、その本質
「自分たちでお金を稼ぎ、稼いだお金をどのように使うかを自分で決める」
このプロセス全体が、まさにアントレプレナー(起業家)教育の実践です。ビジネスの知識を学ぶだけでなく、実際に体験し、仲間と議論し、自分たちで意思決定する。成功も失敗も、すべて自分たちの責任として受け止める。
寒さの中で70パックを売り切った経験も、利益の分配方法を話し合った時間も、どちらも等しく価値のある学びでした。正解のない問いに向き合い、納得できる答えを見つけ出していく。その過程こそが、教室では学べない、生きた教育なのだと思います。
商店街という「教室」で学んだこと
奉還町商店街は、中高生たちにとって最高の学びの場でした。本物のお客さんがいて、本物のお金が動き、本物の責任が生まれる。失敗しても、誰かが助けてくれる温かさもある。
「たこプロ奉還町」に参加した7名は、それぞれ違う学校に通い、違う年齢の中高生たちでした。フリースクール107の中学生も、奉還町学習センターの高校生も、「みんないっしょに違うことをする」という私たちの理念そのままに、一つのプロジェクトを完遂しました。
次の挑戦へ
反省会の最後、参加者の一人がこんなことを言いました。
「次は、もっと早く準備を始めたいな」
「違うメニューにも挑戦してみたい」
すでに、次を見据えている彼ら。「たこプロ奉還町」で得た経験と自信は、きっと次の挑戦への大きな一歩になるはずです。
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