「みんないっしょに違うことをする」空間
奉還町学習センターの教室をのぞいてみると、隣同士の席に座っている生徒が、まったく異なる教科に取り組んでいるんです。英語、数学、地歴公民のレポートに取り組んでいる生徒たちの姿。
私たちのコンセプトは「みんないっしょに違うことをする」。通信制高校の学習は、一人ひとりのペースや進度が異なります。決められたカリキュラムを一斉に進めるのではなく、それぞれの課題や目標に合わせて学習を進められるのが特徴です。
「今日は何をするの?」と聞くと、生徒たちからは様々な答えが返ってきます。「今日は古典の提出課題を終わらせる!」「私は次のレポートの準備をしたくて」「僕は来週締め切りの数学を優先」…。みんな違う目標を持ちながらも、同じ空間で学び合える環境が、ここにはあります。
午後からスタート、自分のペースで学べる時間
「おはようございます!…あれ、もう12時半か」
玄関から眠そうな顔をのぞかせた生徒の第一声です。奉還町学習センターの授業は午後からスタート。朝が苦手な生徒たちにとって、これはとても助かるシステムです。中には「朝起きるのが本当に苦手で、普通の学校では辛かった」という生徒も少なくありません。
また、午前中にアルバイトをしている生徒にとっても、このスケジュールは最適です。先週、カフェでのアルバイトを始めたAさんは「午前中に働いて、その後ここで勉強できるから、両立しやすい」と話していました。それぞれのライフスタイルに合わせた学び方ができるのも、通信制高校サポート校の魅力のひとつです。
先生たちのサポートで乗り越える学習の壁
「T先生、この問題の解き方がわからないんです…」
数学の問題で悩んでいた生徒に、T先生がすぐに駆けつけました。ホワイトボードを使って丁寧に説明する姿は、まるで個別指導塾のようです。奉還町学習センターの先生たちは、それぞれの教科に精通しているだけでなく、「わからない」をどう「わかる」に変えるかという指導法にも長けています。
「最初は自分で勉強するのが不安だったけど、先生がいつもサポートしてくれるから安心」と語るのは、転入して2ヶ月のAさん。経験豊富な先生方のサポートがあるからこそ、自分のペースで着実に学習を進められるのです。
学習だけじゃない、好きなことも続けられる
15時過ぎ、2階から「パーン、パーン」という独特の音が聞こえてきました。上がってみると、そこには真剣な表情で弓を引くKさんの姿が。
Kさんは今年の春、全日制の高校から転入してきた生徒です。前の学校では弓道部に所属していましたが、転入するときは「もう弓道はできないだろうな」と諦めていたそうです。
「通信制に転入したら、部活とかそういうのは全部終わりだと思ってたんです。でも、ここに来たら2階に巻藁があって…のむたい先生も弓道の経験者だって聞いて、びっくりしました」
のむたい先生は高校時代に弓道部に所属していて、当時使っていた道具を今もセンターに置いています。「せっかくだから使ってほしい」という先生の言葉に背中を押されて、Kさんはさっそく自分の道具も持ってくるようになりました。
「レポートが終わったら、先生といっしょに練習できるんです。一人じゃないから、またがんばろうって思えて。これからも続けていきたいです」
10月から新しく加わったなつみ先生も高校時代は弓道経験者。「久しぶりに巻藁を見て、懐かしくなりました。Kさんの練習、私も一緒に見守っていきたいです」と笑顔で話していました。
勉強も、趣味も、自分の大切にしていることも。ここでは色々な「好き」や「続けたいこと」を大切にできる環境があります。
奉還町学習センターは、単なる学習スペースではなく、一人ひとりの「学ぶ」を支える場所でありたいと思っています。自分のペースで、自分の目標に向かって、時には仲間や先生と一緒に。そして、大切にしていることを諦めずに続けられる場所として。
「みんないっしょに違うことをする」この不思議な一体感が、私たちの日常なのです。
明日も商店街の賑わいとともに、奉還町学習センターの扉が開きます。
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